宮城県石巻市で被災した障がい者自立支援団体の運営支援
（2014年11月17日）

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　被災後、宮城県石巻市内の仮設事業所で活動を再開した障がい者支援団体の恒久施設建設に向けて、資金的な協力を行いました。支援先は、宮城県石巻市のNPO法人輝くなかまチャレンジド（2005年設立）が運営する障がい者支援センター「地域活動支援センター　こころ・さをり」です。支援学校を卒業した人たちの居場所づくりや、障がい者の自立支援に努めています。
　こころ・さをりは当初、障がい者に限定せず、織り機を使った手作りの「さをり織り」を一般に広めようという目的で教室を開催していました。次第に障がい者とその保護者の参加が増え、「学校を卒業後毎日通える場所がない」「創作に励んでいると、心が落ち着く」という声が多く寄せられたため、無認可の小規模作業所を開設。その後宮城県・石巻市の認可を受け、法改正に伴い、2007年に上記の名称に変更しました。
　利用者は10代後半～70代の身体・知的・精神に障がいを抱える方21名(１日当りの通所者は7～8名)で、常勤職員は3名です (2014年10月末時点)。活動内容は、さをり織り創作やレクリエーション(健康体操、カラオケ、音楽、調理実習、茶道等)。さをり織りは、既成概念に囚われず個々人の感性を自由に表現し、思いのままに織る手織りです。色彩や素材・織り方に制約がないという点で、障がいを抱える方にも向いています。
　東日本大震災発生直後、利用者と職員は、活動していた沿岸近くの賃貸ビルの上層階で、近隣住民とともに約1週間の避難生活を送りました。幸い全員ご無事でしたが、活動拠点を失い、しばらくは職員による家庭訪問や病院へのお見舞いが主な活動となりました。6月に職員の自宅や福祉避難所で活動を再開。8月には仮設事業所で日中一時支援事業を再開し、現在に至っています。
　この仮設事業所は、仮設住宅にある「支え合い拠点センター」（管轄：石巻市）の中にあります。センターの集会所を使用できるのは9時～17時。17時には全員退出しなければならず、事務作業の時間が足りません。また、センターでイベントがあるたびに織機や設備品を片づけなくてはならず、常に不安定な条件下での活動を余儀なくされてきました。
　関係者の働きかけにより、2015年3月末までの使用延長が認められましたが、利用者の方々のために一刻も早く恒常的な活動拠点を探すために、AARと当会にご相談がありました。団体副理事長が提供を申し出た100坪の土地に、自己資金と全国から集まった寄付で事業所を建設したいとのこと。行政の助成金にも申請しています。恒久施設ができれば「仲間と離ればなれになるかもしれない」という不安を感じずに、レクリエーション活動や、さをり織りの製品作り、近隣住民との交流を楽しめるようになります。夕方以降の職員の事務作業の時間と場所も確保され、日中の利用者のケアにより一層力を注ぐことができます。
　また、障がい者（特に精神障がいをお持ちの方）は、独りになりたい時が出てきます。仮設住宅の集会所では、利用者が独りになれる場所はトイレしかありません。障がいを抱える方々のニーズに応え、車いす対応などの機能も十分備えた施設の建設が必要です。そこで、当会ではこころ・さをりの活動継続を支えるため、新施設の建設に向けて主に資金面で協力することにいたしました。今後も主にAARを通じて協力していく予定です。

 

 

支　援　先	NPO法人輝くなかまチャレンジド
施　設　名	地域活動支援センター　こころ・さをり
所　在　地	宮城県石巻市蛇田字新金沼401仮設恵み野団地 支え合い拠点センター内 (仮設事業所)
事業内容	障がい者地域活動支援センター、障がい者日中一時支援
理　事　長	庄司 捷彦 氏
利用者数	21名 (うち、日中一時支援事業のみの利用者3名)
職　員　数	3名 （他にパートタイム3名）※2014年10月末時点
支援内容	寄付100万円 （恒久的な事業所の建設費用の一部として）
振　込　日	2014年11月17日
協　　　力	AAR Japan [認定NPO法人 難民を助ける会]